薬剤師の転職をブログで解説

薬剤師の転職体験ブログ

コロナで薬剤師が退職&転職活動を行う注意点

これまでに無い経験。それを私達はいま経験している。そう、コロナだ。

コロナ以後、一般的に就活・転職というものがわりと厳しい状況であるが、私自身薬剤師という事もあり、今回はそこに絞って考察してみる。

薬剤師はとても転職する人が多い職種。それは、人手不足の問題だったり、人間関係だったりと様々。

100人の薬剤師がいれば、100通りの理由がある。

コロナという状況で退職希望者も増える中、薬剤師の転職状況はどうなっているのか?そして今、どう対応していけばいいのか、客観的に解説したいと思う。

転職を考えていて悩んでいる薬剤師に、少しでもお役に立てればと思う。

コロナ疲れで転職したい薬剤師が多い現状

まず、少し状況は落ち着いてきたものの、コロナ対応によって疲れてしまい、病院はもちろん、現在勤務する薬局やDgsで働くのが嫌になった、退職したい薬剤師が多いということ。

それは今の職場への不満という部分がほとんどだ。

だから、疲れてしまったといっても、0410対応が大変だったとか、そういう事ではない。

むしろ薬局に限って言えば、コロナによる受診控えにより、平時よりも忙しくなかった・暇すぎたというケースも多い。

もちろんDgsでは、マスク販売をめぐり、文字通り目が回る忙しさ・ストレスだったところも多いだろうが、少なくとも「調剤」に限って言えば極度に仕事量が減ってしまった場合も多いはずだ。

忙しいのも疲れるが、コロナで暇すぎるのもまた、同様に疲れる。

また「疲れ」という部分は全く抜きにしても、給与の面で大きな問題に今後直面する事になる。

4月、5月以降から薬局の売上は大きく落ち、夏のボーナスはまだしも、冬のボーナスはより一層厳しい事も想定される。

それは、利益の上がっていない保険調剤・病院に関しては、仕方の無いことだ。

いくらコロナ対応で頑張った薬剤師だとしても、無い袖は振れないのである。

コロナで薬局間格差を生むことに

だが、全体としては保険診療は大きく減っているものの、診療科目、地域によっては全く変わらないケースもある。

そういった場合に生じるのが、チェーン薬局内における「格差」だ。

例えば、あるチェーン薬局(薬局数が500店)があるとする。4月以降はコロナの影響で売上も落ち、なんなら赤字となっている。

ただそれは全社を見て赤字であって、個別の薬局を見るとあいも変わらず忙しかったというケースも多い。

「うちは忙しいのに他の薬局の薬剤師は暇そうで羨ましい」と、そんな嘆きも聞こえてくるだろう。

まだ、それならいい。なぜなら暇すぎるのもつらいからだ。

だがしかし、それが賞与に反映されてくると大きな禍根に発展していくのである。

「うちの薬局は忙しい。処方箋枚数も落ちてないし、毎月3,000枚捌いている」としても、賞与は会社一律で支給されるケースがほとんど。

それが何を意味するかと言うと、去年・今年といつもと同じように働き、薬剤師として会社業績に寄与しているのにも関わらず、賞与が減る・なくなるといった事態だ。

これではやってられる筈もない。

そうした薬剤師であれば、コロナどうこうと言うよりも、自分自身が所属する組織(薬局やDgs、病院)に対する大きな失望を招く事になる。

そして、退職を考え転職し、将来性のある職場を求める事になっていく。

薬剤師でなくても、極めて妥当な判断だと言えよう。

薬剤師の転職環境もコロナで変化

ただそういった状況は全体から見れば一部なのかもしれない。多くの薬局などではやはり、コロナにより処方箋枚数の落ち込みは著しいからだ。

しかしそれが何を招くかと言うと、薬剤師の転職情勢の変化である。

言うまでもなく、薬剤師に限らず今の雇用情勢は非常に厳しい。一般企業では転職はもとより、新卒の採用控えという状況さえも現に起き始めている。

薬剤師に関しても、極めて転職環境が悪化しており、特に大手チェーン薬局では「薬剤師の中途採用をストップ」している会社もあるほどだ。

そういった状況で、薬剤師はどう転職活動を行うことが最善であろうか。

「いや、そもそも薬剤師はコロナの今、転職活動をするべきではない」

そういった意見も聞こえて来そうだが、たしかに全体としてみればそう言えるのかもしれない。

しかし、今の会社に失望し将来が不安、人間関係でもたない、パートから正社員にという薬剤師も多いであろう。

コロナを経験したからこそ、将来を見据え、一人の薬剤師として「仕事」について考えるきっかけになっているのだ。

コロナ下で薬剤師はどのように転職をすべきか

これまで述べてきたように、コロナによって初めて転職を意識した薬剤師も多いかもしれない。

もちろん薬剤師は転職者が非常に多い職種であるので、コロナ関係なく転職を考えていた薬剤師も多いであろう。

そういった薬剤師に向け、どう転職活動をしくのが最善か、少し解説したい。

現在どのような薬剤師求人傾向か

一部の大手チェーン薬局では、コロナで薬剤師の中途採用を中止している現実もある事は述べたが、もちろん現在でも薬剤師の求人は多くある。

それを理解しておくことが、転職活動を成功させる大きなポイントとなろう。

ざっくりではあるが、コロナ下でも以下のような薬剤師求人であれば転職しやすい

ただし「地域によって大きな差がある」事だけはお断りしておきたい。

①調剤併設ドラッグストア

ドラッグストアでは相変わらず薬剤師募集を積極的に行っているところが多い。

ドラッグストア内の薬局も当然処方箋売上は落ちているが、利益の源泉となっているのは何といっても出店攻勢である。

コロナによる調剤売上の減少はあくまで一時的なものであって、今後も会社規模を大きくしていく戦略をとるためには、薬剤師の確保は欠かせない。

新卒採用を強化するだけでは、どうしても賄いきれないのである。

また調剤併設ドラッグストアの多くは面で処方箋を受け付けているため、今回のコロナでも比較的影響が少なかった事も事実なのだ。

②小規模薬局

「小規模」がどの程度を差すか明確な基準は無いが、基本的には個人経営の薬局で数店舗を経営していると考えて差し支えない。

こうした薬局の特徴としては、新卒薬剤師の採用が極端に難しい事だ。

今の大手チェーン薬局は採用を強化するにあたり「研修体制の充実」を売り出している。それに惹かれて入社する薬剤師(学生)も多い。

ただ研修などというものは受け身では全く身につくものではなく、薬剤師であれば仕事の中で覚えて行けば良いのだ。

また転職という側面を考えれば、既に薬剤師として一定の教育受けているはずで、もはや大手チェーン薬局の教育体制など全くどうでもよい。

③その他

細かく上げたら切りが無いので「その他」としたが、薬剤師の急な欠員というのはしばしば生じるものである。

例えば急に親の介護が必要になって辞めざるを得ない薬剤師がいたとしたら、その穴埋めはしなくてはならない。

忙しい薬局だったが、コロナ疲れで急に退職した薬剤師もいるであろう。何にせよ、薬剤師は急に辞める。

こうした急な薬剤師欠員による求人は「いつも募集している」わけではないものの、案外多い。

コロナ下で転職したい薬剤師のチェックポイント

コロナ状況下でも転職したい薬剤師も多いだろう。そういった薬剤師が注意すべき点はただ一つ。退職後に転職活動をしてしまう事だ。

なるべく在職中に転職活動を始める事

普段であれば、薬剤師が転職しようとすれば幾らでも求人は見つかる。紹介される求人が多すぎ、却って選べないほどだ。

しかし今の状況は、これまでであれば求人を20社紹介されていたものが、5社になるなど減っているのが事実である。

そうすると、どの求人も自分の希望にフィットしない可能性があり、少し転職活動が長引く可能性が出てくる。

もちろん金銭的に余裕があれば退職後から転職活動を初めてもいいのだが、「コロナ」という状況下、なるべく働きながら転職活動をした方がいい言うことだけは、可能な限り留意しておきたい。

辞めたい意向を今の上司に伝えない

もちろん、すぐに求人が見つかり1,2ヶ月後には転職出来る薬剤師が多いかもしれないが、一部の薬剤師では転職活動が長引く「可能性」がある今、保険は掛けた方がいい。

「もう辞めます」そう上司に伝えてしまうと、もし今の薬局などに留まり続ける事になった場合、少々居心地が悪い。

居心地が悪いだけなら時間が解決してくれるが、賞与にも影響が出る可能性もある。

そもそも転職活動は在職中に行うことがベターであるが、特にコロナ下においては、十分に注意しておきたい事だ。

「薬剤師転職withコロナ」に向け

まとめである。

これまで長々と書いてきたが、コロナ下でも転職を諦めようと思わない方が良い。薬剤師として働きつつ転職活動すればよいのだ。

コロナ関係なく、やはり今の職場から転職したい、そういった薬剤師は多い。無理して働き続ける必要などどこにもない。

いずれ薬剤師の転職環境は改善する、それは間違いない。

その時一斉に「コロナが落ち着いたから転職活動を開始した薬剤師」に遅れをとらないよう、今から動き出しておく。

そういう❝したたかさ❞が大切なのである。

薬剤師の転職も甘くない時代ですね。